秋田蕗(あきたふき)とは?


・キク科フキ属の亜種
葉の直径1m〜1.5m、葉柄の長さ1m〜2m位まで伸びる蕗。
 秋田を始め東北北部、北海道などに自生していた記録があるが、近年では栽培以外で見ることは少ない。
また、同種の蕗を暖地に移植すると小型になり普通の蕗と区別がつかなくなるとのこと。

 秋田県鹿角周辺の十和田樹海や八幡平山麓、夜明島渓谷は昔は巨大で良質な大蕗を産出すると有名で、藩政時代には毎春、藩主の食膳にも興せられる習わしであった。

6月中旬になると鹿角乙女たち“蕗娘”の手で成長した蕗が刈り取られる風景を見ることができる。


傘になるほどの“秋田蕗”
秋田蕗の砂糖菓子は出ているが、“漬物”は珍しい。山牛蒡(ゴボウ)と蕨(ワラビ)をゆで、しその葉で巻いたものを蕗(フキ)に詰めて、たまり漬けにしたものが“てっぽう漬け”です。もともと秋田蕗は鹿角地方が発祥地。“秋田の国では雨がふってもから傘などいらぬ、手ごろの蕗の葉サラリとさしかけさっさと出て行かえ”と唄われている程で、藩主の食膳にも興せられたと云う他に類を見ない良質のオオブキです。


岩船屋は秋田蕗、唯一の漬物屋
今では数軒のみの生産農家から毎年10トンの蕗を仕入れる「岩船屋」です。丁寧な手作業で作り出される秋田蕗の漬物は、素材の味を大切にした逸品。“地酒の粕漬け”や“てっぽう漬”は白いごはんやお茶漬けに、ふきのとうの“バッケ味噌”とか“にんにく味噌”などは焼きおにぎりにして大葉で包むと美味しいです。どちらも創業130年の地元の味噌や醤油を使い、蕗の香味を引き立てています